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処置室

院長の噛み合わせ体験談

歯の噛み合わせを制したある変人の気づきと主張

1、最初の気づき

最初の気づきは人間ほぼ99%が体験する歯の違和感から始まった。

治療した歯が、合わないだけではなく精神と身体全体に広がる違和感だ。

20年以上の悪戦苦闘の中で、この違和感全体を物理からも意識の世界からも制したのであるが、この時の気づきは鍼灸師として来院されている多くの患者さんも、この問題を少なからず抱えているに違いないと思っていた程度だ。

その当時、新聞にも掲載されたことがある、ある大学で10頭の犬の歯を意図的に数ミリ削って噛み合わせをズラした時、犬の健康状態はどのようになるか観察された。

その掲載されていた内容と私を含む患者さんの症状も似ていた。

背骨が歪んでくる

目が潤んで苦しそうな素振りを始める

意識が散漫になる

等々

 

そんなとき、たまたま患者さんから自称日本一の歯科技工士がいると聞き、その人を紹介してもらって特別講座を申し込んだ。

その方は、工学博士でもあり歯科技工士という変わった経歴を持っていた。

話を聞くに従って、歯の重要性を自分自身の腰痛癖も含めて実感し、それでは私が犬の逆バージョンで歯列を再構築してみようかという気になった。

費用は350万円、今の歯列を全部の歯を総取っ替えということだ。

前歯から親知らずまでの上下全部の歯を、削りその上に上下の歯列の咬合を考慮したセラミックを被せるというものだ。

その大規模な工事は、朝始まって夜遅くまで、自分の歯を削り出すのでその激痛は読者の想像を超えるに違いない。

その激痛は初めに予想はしていたが、もし咬合が健康につながるのであれば、この体験は鍼灸師として何かを得ることになるだろうと一心に思い詰めてのことだった。

だが、その結果は無残なものになってしまった。

自分の歯ではない異物が、突如として口腔の中に28本も固定されているのだ。その状況から三ヶ月経っても顔が土色で腰痛も前よりどんよりと重く、それよりも身体全体が方々で悲鳴をあげていた。

身体は子供の頃から病気一つしない強健な身体であったが、一気に自信がなくなった。

 

その後数ヶ月して、全ての被せ物を外すということになった。

残った歯は爪楊枝のような細く削り込んだ歯だったが、口の中が解放された安心感が広がった。

それから家族や友人歯科技工士や医師を含めて悪戦苦闘の20年以上も続く日々が始まったのだ。

2、二番目の気づき

35歳から55歳まで続いた自分の歯との格闘それよりも、口の中の異物と心身の戦いの中だった。

その中で歯医者さんもおそらく気がつかない法則を見つけた。

その法則を、東京歯科大学のその当時学長をしていた石川達也先生に手紙を出して進言したところ、快く受け入れてもらえ学長室で数名の学生の前で説明させてもらえた。

学長から「これは面白い」自分の自著に載せるが良いかと言われ、快諾した。

その内容は歯の咬合面に経絡ラインがあるというものだ。

経絡とは単純に説明すると身体の気の流れが、身体の内外を12の軌道を描いて流れているものだが、石川達也先生も経絡を研究していたので、あうんの呼吸のように理解し合えることとなったのだ。

学長の研究グループは歯と身体の関係を、ある電磁計という指先の電位を計測して研究している最中にあり、今回の歯列の咬合面にある経絡の話は、姿勢の歪みという観点では彼にとって新しい発想ではあるが、彼の直感がこれは正しいということになったらしい。

自分自身の鍼灸師としての研究として、歯の噛み合わせの歪みが、姿勢の歪みに同調しているのは体験から一目瞭然のことであり、このことがなければ私自身が生還できなかっただろうと思うほどの真実である。

もし、なんの基準も持たず、歯をいじり回すとそのほとんどは、廃人になる。私の場合は自分の歯を自身で毎日のように気が狂ったかのように削り続け、そんな狂気千番な実験に明け暮れても正気を保てたのは、この正しい経絡の基準認識があったからだと思う。

3、三番目の気づき

歯を感覚や感情に任せて削っていたのではなく、身体との相関関係を調べていたのだが、頻繁に意図しない症状が襲ってきた。

めまいや、意識が狭窄する様な恐ろしいほどの変化をするのである。

そんな時感情に任せてやたらめったら思いついた位置を削りとしたことも多々ある。

その度に、経絡をもとに鍼をして何とか持ち直したが、そんな中で果たして歯列そのものだけに、探し求めている法則が成り立つものだろうかという疑問が湧いていた。

 

一番先に気がついたのは、目の焦点が関係していることだ。

自分で思う歯列の位置を削り落とそうとした場合、鏡を使うことになる。

その場合鏡の位置があまりにも近く、また見にくいなら目の焦点の位置が、身体の正中にはないし、また距離も把握できない。

ではどんな位置が基準になるか。

そんな実験を試みた。その結果大変重要なことに気がついたのである。

その基準位置は、目の前75センチの位置に両目の焦点を置かなければ、どんな正しい歯列の研削位置や形であろうとも、まともな結果が得られないといことだ。

歯科治療で虫歯や詰め物の処置として、患者側は目を閉じたり横に向けたりするのは、その状態が歯と身体との結びつきを無意識は一緒に把握して、歪んだ習慣を創ってしまうのであるが、歯科医はそのことに気がついていない。

4、四番目の気づき

歯列の感覚は、思う以上に正確である。

0リングやキネストロジーなどの筋肉反射は感覚的な誤差が生じることが多々あるが、歯の感覚は髪一本歯に挟まっている状態を、正確に髪の太ささえ識別できるほどで誤魔化しが効かない。

逆にいうと、意識的な筋肉や感覚を誤魔化すことはできるが、無意識的な感覚である歯列を誤魔化すことはできないのである。

だから私たちの身体の症状は私たちより正直さを持って身体を表現していることになる。

これを再度言い方を変えると、歯列の状態、特に噛み合わせ状態が身体の諸症状を創り出し保持しているのである。

5、五番目の気づき

では、噛み合わせを創造的に調整構築ができるかであるが、それは至難である。

何故かというと一度、傾いての柱や床が傾き落ち着いている家を元に戻すのは名大工であろうとも不可能なのである。

身体の場合はさらに複雑に歪み落ち込んでゆくので不可能に近いことなのである。

土台を持ち上げると家が壊れるし、対処療法的にドアや窓を修正すると、そのために全体の歪みが固定されることになる。

動かない建築物であれば、家全体を何本ものワイヤーで持ち上げ、垂直水平を整え新たな土台に下ろす方法がある。

しかしそのようなことは、多くの計測技術を持ってしても、非常に難しいことになる。

それがもっと複雑な口腔は、計測しようがないのだ。

しかしである。これは可能なのである。

この可能性に向かって誰も思いつかないだろう方法と技術を、気づきの10に向かって説明しようと思う。

6、六番目の気づき

信頼のある歯科医に診てもらって、歯列を削ったり被せ物や矯正的な調整しても、噛み合わせが改善されないのはどうしてなのか、数年かけて丁寧に診てもらっているはずなのに、初めの時よりも症状が逆行してしまっているのはどうしてか。

その理由はごく簡単なことにある。

口腔の領域は、歯そのものや歯列の物理的な形や高低の影響だけではないからである。

口腔は、歯列の他に舌が歯の内側から歯列を含む顎の運動を支え、口や頬の筋肉が外側から支えているのだから、もし歯列だけで調整しようとするなら、車の運転をハンドルとブレーキとスピードをコントロールするアクセルの内、例えばハンドルだけアクセルだけ、ブレーキだけで車を調整しようとするような、非常に難しいことになる。

ここでアクセルは舌のことで、ハンドルは歯の噛み合わせ、ブレーキは口や頬の筋群である。

その難しいことも無意識は頑張って何とかしようと頑張るが、そうするとどういうことになるだろうか。

ではこの問題を踏まえて歯の他に頬の筋群バランス、舌の筋群バランスを含めてどのように調整できようか。

それは、歯列の咬合面は頬側、舌側、咬合側それぞれにA,B,Cラインを歯科学は考えているがそれは咬合つまり上下の歯列がぶつかり合う噛み合わせだけを考えているが、口腔の問題は舌が歯と触れ合う内側全体の側面、唇が歯と触れ合う歯の外側面全体が関係しているのである。

だから歯科医が咬合と関係のない歯の歯茎に近い側面を削っても、あるいは被せ物のの側面が多少大きくせり出ても咬合点が変わらなければ、噛み合わせに関係ないと思っているところがあるが、これが歯科学の大きな誤算なのである。

7、番目の気づき

患者さんの歯の模型では、しっかりと咬合面は合っているのに、本人は全く合わないだけではなく、吐き気や目眩が止まらないという場合が多々ある。

そんな場合よく聞いてみると、嚥下はあまりスムーズではないが物を食べるのには問題がないし良く噛める。

それはそうだ。その歯車の周期や軌道が前後左右にブレまくっているが、咬合面はまさに歯車の歯なのだから、擦り合わせながらも食べ物はよく噛めることになる。

だから歯科医から見るとこれは患者側の問題だと、あるいは精神が病んでいると精神科を紹介することを考える。

もっと最悪の場合、歯の咬合面を削りすぎて咬合面がなくなり、歯車の歯が空回りしている場合もあるが、そうなると歯科医の手に負えない。精神だけでなく身体の方々が悲鳴をあげるからだ。

そうなると患者側も黙ってはいられない。

自分の歯をめちゃめちゃにして精神科へ行け?

冗談じゃない。

治療を受ける前はこんなじゃなかったし精神が悪い?

こんな場合だいたい患者側のなき寝入りになって、精神科へゆく。

そこで処方された精神薬を飲むと一時的にスッキリすることもある。

やっぱり俺は精神が悪かったのかと、人生のトーンが落ちてゆく。

この問題は、はっきり言って歯科学が口腔を歯列の咬合面からだけ扱っているからだ。

ではこの物を噛み食べる咬合と関係のない歯列の舌側面、頬側面をどのような基準で調整するのか。

それは今の歯科学の感性では無理なのである。

舌や頬の理屈は分かってもそ二つが咬合にどんな力関係があるか、そんな理論は聞いたこともないだろう。

しかし、それが私の見解から知るべき真実なのだ。

もしこのことを知らないで咬合を調整すると永遠に咬合は、定まらないだろう。

真実は、歯の咬合力と舌の運動力と口を主とした頬の筋群を理解すると、じゃんけんの様に口腔運動が3つ巴になってどんな状況にも対処できる遊びのある咬合になるのである。

もしこのことを体験的に理解したいと思うなら、ことは簡単になる。

自分の噛み合わせを上下左右前後運動においてその関係性を調べるだけでいいのだ。

ちょっとしたガイドがあれば、すぐに理解できよう。

問題は歯科学の既成概念、噛み合わせのみが咬合なのだという認識が邪魔していることだけだ。

8、八番目の気づき

自分の歯を削っただけではなく、あらゆる歯列の構築の努力もしていた。

東京歯科大の学長石川達也先生関係での歯科医が少数ではあるが、私の講座にやってきていた。

その内容は、どれほど咬合が大きな問題を孕んでいるか。

歯列全体に被せる硬質プラスティックのプレートを作ってもらって、その歯列を意図的にさまざまな視点で削った場合、どんな症状が出るか、実演してもらったことが主で、どのような法則がここにあるを浮き彫りにすることが焦点だった。

その中で、私自身も現代歯科医学の恩恵も受けた。

この中の三人の歯科先生が私の診るに忍びない歯列を診て、下顎歯全部を抜き前歯4本を無料でインプラントに置き換えてくれたのだ。その後上顎の10本歯をインプラントに置き換えた。

もし私の理論が正しいのなら全く新しい歯列が、どれだけ生きるかが問われることにもなる。

インプラントを活かせるかどうか。

もし私の見つけた法則に落ち度があるなら、インプラントを壊すことになる。それは致命的なことになることを承知の上だった。

結果その後20年経って現在、この4本のインプラント歯も健在であり、この4本のインプラント歯に馬蹄形の入れ歯がのっている。

上顎インプラント10本もすこぶる健在である。

これだけのことなのだが、20年前よりも咬合だけではなく、70歳を越えた今10代の時に軽々出来たバク転をみんなの前で披露できたほど身体の方も健在になった。

これはインプラントの歯根もさることながら、多くの失敗の中で見つけた、咬合法則のおかげでもあるのは確かなことだと思う。

9、九番目の気づき

歯列のインプラントにして、数年経った頃、習慣や癖になっていた咬合を削るのを辞めた。

削らなくても、口腔を調整する方法に取り組んだのだ。

私は鍼灸師で歯科医の免許は持っていないので、クライアントさんの歯を削って調整するわけにはいかない。

しかし噛み合わせの法則をマスターしていたので、その法則と同じように調整できるイメージの法、つまり量子の法則があることは薄々理解していた。

その甲斐あって、量子場調整が完成した。この調整技術は、歯列を基準にした技術ではあるが、一気に意識の世界にジャンプしている。

10、十番目の気づき

量子の世界は、無限の可能性を持っていることが、日増しに感じ始めた頃、歯列の法則と量子の法則の接点を見つけることができた。

それは自分の歯と格闘を始めた頃から、35年ほど経った、70歳を前にして完成した技術。

驚くなかれ、もしデタラメな噛み合わせになっていたとしても、それが何十年にわたっていたとしても、その人本来の口腔に復帰することができる。

この技術は、どんな歯科咬合術よりも飛び抜けたところがある。

歯に鍼の先端を触れるだけで削る様なことはない。

鍼灸師ができる神業に近い技術が完成した。

量子の世界だけでは、全身に共鳴するようガイドすることはできるが、何十年もの歪み癖はどうしてもその癖に引き戻される。

しかしこの技術は、鍼という物理的な歯列への接触がこの問題を超えたのである。

 

続 上記の内容はいつか出版する下書きですので、追記があります。

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